最近はplaydateという小さな携帯ゲーム機にハマってます。昨年(2023年)の9月ごろに届いてからほぼ毎日何かしらのゲームをこのデバイスでプレイしてるし、公共交通機関での移動がある際には必ずバックに入れて持ち出してます。
正直なところ、この記事を書くかどうか少し悩みました。というのも、playdateに興味を持ちそうな人は既にこのデバイスを購入している気がするし、テキストでこのデバイスの魅力を伝えるのはすごく難しいように感じているからです。
とはいえ、自分がなぜこのデバイスを気に入っているのかについては語れることもあるかと思って今キーボードを叩いています。
playdateとは
黄色くて小さい携帯ゲーム機です。大きさとしてはスマホの縦幅の半分くらいの長さの正方形のイメージです。ボタン類は十字キーとA/Bボタン、Menuボタン、Sleepボタンがあります。そしてクランクというくるくる回すハンドルみたいなのがついてます。価格は$199で、送料も含めて日本円だと3万円くらいです。
また、本体を購入するとゲームが24本ついてきます。ラインナップは公式サイトで確認できますが、塊魂やGetting Over It(壺おじ)の開発者の新作ゲームも含まれていて、小粒なゲームが多いものの質はなかなか良いです。
それ以外にも、公式ストアでゲームを買うことができます。価格はまちまちですが概ね5~10ドルです。月に10本程度は新しいゲームが追加されていて、ニッチな市場でありつつも遊ぶゲームがなくて困るということは当分ないでしょう。
本体の設定画面などもそうですが、ゲーム自体も基本的には英語にしか対応してないので、簡単な英語の読解ができないと厳しいかも知れません。
レトロだけど最新式なゲーム機
レトロゲームの流行の乗っかった前時代的なゲーム機のように見えますが、最新ゲーム機としての基本的な機能は揃ってます。Wifiを使ったゲームのダウンロード、ゲームをたくさん入れておくのに十分な容量、スリープ&レジューム機能、充電可能なバッテリーでの長時間動作などなど。これは本体機能ではないですが、ゲームも基本的にはオートセーブです。
お世辞にも性能は高くないですが、ゲーム側もあんまり無理しないように実装されており、全体的な動作も高速でストレスフリーな体験ができます。これはゲーム機の機能云々というよりは開発コミュニティの文化が強く反映されている部分ですが、それらもplaydateを語る上で外せない部分です。
ラインナップの方向性
playdateを語る上でゲームのラインナップやそれらを制作してる開発者コミュニティの空気感は外せない要素です。playdateやそのコミュニティには「小さくて素敵なゲームを作りたい・遊びたい」と思わせる何かがあります。
公式ストアに概ね5~10ドル程度のゲームが多いことから分かる通り、1つ1つのゲームのボリュームはそんなに大きくありません。1プレイ1~2分でスコアを競ういわゆるアーケードスタイルなゲームも多いですし、物語があったりステージを順にクリアするようなキャンペーンモードがあるゲームでも概ね5時間もあればエンディングが見れるゲームが多いです。
また、playdateは純然たる携帯ゲーム機であり、据え置き機ではありません。なので、開発者もユーザも携帯ゲーム機的な体験の前提を共有できます。例えば、小さい画面で遊ぶこと、スキマ時間でプレイすること、プレイ中に中断や再開をすること、などです。なので開発者もそれらを念頭に入れたゲーム作りを行えます。
これは当たり前のように感じるかも知れませんが、昨今のゲーム事情は案外そうでもありません。
例えば、Nintendo Switchは据え置き機としても携帯機としても使えます。それはメリットでもありデメリットでもあります。開発者はユーザがどちらの環境で遊ぶのかを想定できません。30インチ以上の画面で味わって欲しいと思って作られたシーンを、7インチの画面で通勤中の電車の中でプレイしているというのはSwitchではよくあることです。Steam DeckなどのPCゲームを携帯機で遊ぶデバイスも同じような問題を抱えています。(単純に画面が小さくて見にくいと思うときすらあります)
もちろん、そういった齟齬がない「携帯ゲーム機で遊んでも大画面で遊んでも変わらず面白いゲーム」もたくさんありますし、どういった環境でゲームを遊ぶかはユーザの自由であって制限されるべきことではありません。ただ、その自由によって予期せず体験を損なっている部分はあると思います。
playdateは携帯ゲーム機であるがゆえに画面もスピーカーもコントローラも全て同じ仕様のものを開発者とユーザで共有しています。playdateで遊んでると、それによって生まれる快適さというのは確かに存在しているように感じます。
クランクの操作感
クランクはゲーム機のコントローラとしては珍しい機構ですが、実際のところゲームには凄く向いてます。
言葉で説明するように動画見てもらったほうがわかりやすいでしょう。
ルートビア(飲む湿布)を熊が適量注いで提供する『Root Bear』のプレイ動画です pic.twitter.com/hXhOjaejbu
— Nore139 (@Nore139) 2023年11月23日
まとめ
ということで、playdateについて長々と語りました。
playdateは不思議なゲーム機です。たくさんの開発者がゲームを作って販売しているにも関わらず、ゲームのラインナップには一定の方向性があるような気がします。加えて、一種の哲学や美学のようなものを開発者とユーザを含むコミュニティ全体で共有してるような不思議な感覚すらあります。
他にも、高精細なドット絵で作られたアニメーションの気持ちよさ、美麗で滑らかな白黒の画面、意外にいい音が鳴るスピーカー、クランクの独特な操作感、ポップな印象で纏められたデザイン、高品質なビルドクオリティ、などなど良さを挙げたらキリがありません。
以前は注文しても数ヶ月待たされてましたが、ようやく生産が追いついたのか今なら数週間程度で届くようです。興味を持った人はぜひ購入してみてください。