kazasiki's blog

プログラミングとかVRゲームとか

自宅内で Steam Link 環境を構築した

世間(?)ではSteam Remote Play TogetherがURLをクリックするだけで利用できるようになったことが話題になっていますが、その流れとは逆行するように私は自宅内につい最近Steam Linkの環境を構築しました。この記事ではSteam Linkについて軽く説明しつつ自分の家で構築した時の話をします。

www.polygon.com

Steam Linkとは

store.steampowered.com

Steam Link の公式の説明を引用すると以下のようになります。

ローカルネットワーク経由で、スマホタブレット、テレビへとSteamゲーム体験が広がります。 (中略)Steamリンクは、ご家庭のネットワーク経由でSteamのゲームライブラリをどの部屋からでも楽しめるようにするソリューションです。

基本的な使い方としては、まずSteamのゲームをプレイするための(ゲーミング)PCが家のどこかにあるとします。家族が複数名いた場合、大抵PCは持ち主のPCデスク付近においてあり、PCデスクの上にあるディスプレイにつながっています。で、そのPCは例えばリビングにある大きいテレビにはつながって無いことが多いでしょう。そこでSteam Linkの出番です。

スマホでもノートPCでも何でも良いのでSteamかSteam Linkアプリが動く端末があって、それをテレビに繋げられればそれだけでテレビでゲームが遊べるようになります。もちろんわざわざテレビに繋がずにスマホやノートPCの画面でそのまま遊ぶのもOKです。

正直、アプリを落としさえすれば使い方でわからないことは無いと思うので、細かくは説明しません。

仕組み

やり方よりも中の仕組みを理解するほうが良いと思います。

まず、ゲーム自体はホストとなるPCで動いています。クライアントとなる端末(スマホなど)で表示される映像は、ホストPCで映像をエンコードしてネットワーク経由で転送しているものです。コントローラなどの操作信号は、クライアント端末でまず受けて、これもネットワーク経由でホストPCに反映しています。

察しのいい人はわかると思いますが、ホストPCは普通にゲームを動かす以外にさらに映像を常時エンコードする負荷がかかります。Youtube Liveなどの生放送を行ったことがある人はイメージしやすいかもしれません。

また、ネットワークも安定していてかつ高速なものが必要になります。画質設定にもよりますが、720p30fpsでも10Mbps、4k60fpsなら40Mpbsくらいは常時転送していることになります。この通信はホームネットワーク内のもので、インターネット回線の通信速度とは関係ありません。

容量だけで見ればWifiでも大丈夫そうですが、常に安定して通信する必要があるとなると環境によっては厳しい数値かもしれません。

自宅の環境

ホストPCはデスクトップのWindowsPCです。クライアントPCはGPD WIN 2を使っています。GPD WIN 2があるならそれでも十分ゲームが動くのでは?と思う人もいるかもしれませんが、流石に画質設定を落としたりするはめになるので、Steam Linkを試しました。

通信ははまずWifiで試しましたが、やはりちょくちょくラグが出ました。Steam Linkのレビューなどを見る限りWifiでも快適にプレイできている人もいるらしいのですが、自分は無理でした。なので、結局10mの長いLANケーブルを買って頑張って有線を引きました。

少し試した感じだと、有線ならアクションゲームでも問題なく遊べそうでした。

これはSteam Link固有の問題ですが、ゲームとの相性がかなりあります。音声がうまくSteam Linkの出力から出なかったり、そもそもSteam以外のランチャーで起動するゲームとかはホストPCで操作してやらないと起動しなかったりします。

Steam Remote Play Togetherについて

ここから先は雑記です。

Steam Linkを試して思ったことは、やはり通信に対する要求がかなり高いということです。Steam Remote Play Togetherなんかまともにプレイできるイメージが湧きません。Steam Remote Play TogetherはホストPCとクライアント端末が違う家にあって、その状態で(オンラインで)ローカルマルチプレイをするイメージです。

ホストPCからの上り回線で10-40Mbpsが安定して出る必要があるというのがまず難しいですし、クライアント側の下りもそれなりに厳しいはずです。日本国内同士であれば遅延はそこまで無いかもしれませんが、とはいえアクションゲームなんかではなかなか厳しいでしょう。

クラウドゲーミングについて

同じようにクラウドゲーミングはホストPCがクラウドにあって、クライアント端末が自分の手元にあるイメージですね。これも下りはかなり安定して速度が出る必要があるはずで、果たして快適にプレイできる環境およびゲームがどれくらいあるのか気になるところです。

また、ゲーミングPCクラスの処理性能のサーバがデータセンターに相当数確保される必要があるはずで、サーバー費大変そうだなーという気もします。

少なくとも数年程度でネットワークの問題が解決するとは思えないので、正直クラウドゲーミング各社の動きはちょっと拙速な印象です。

ということで、少し本題からそれましたがSteam Linkを構築した話でした。