kazasiki's blog

プログラミングとかVRゲームとか

NHK技研公開2022 に行った

5/27(金)に半休をとってNHK技研公開2022に行きました。

展示内容はかなり詳細な内容を以下で確認できます。

www.nhk.or.jp

この記事では感想や自分の解釈をつらつらと書いていこうと思います。

地上放送高度化に向けた伝送方式と放送サービス

www.nhk.or.jp

この展示で言ってることは2つ

1つ目は、放送用の電波で高画質な映像を配信して、専用のホームゲートウェイで受けることで、自宅内の複数のデバイスで映像が鑑賞できるという話です。

ここで言うホームゲートウェイは、電波を受けてそれを映像コンテンツに変換するいわゆるチューナの機能と、映像を単にケーブルで出力したり、(宅内)Wi-Fiで配信する機能があるものと仮定してます。

まず、現在のYoutube Liveなどインターネットにより生配信の画質は当然インターネットの速度に依存してます。そうなったときに、4k60fpsみたいな画質の映像を安定してリアルタイムに受けるのは、現在のインターネット環境ではわりと厳しそうという実感があります。その点に関しては、おそらくインターネットよりは放送用の電波の方が有望だとは思います。というか、今の1080p30fpsでもYoutube Liveはわりとbitrateがギリギリな印象ですね。

とはいえ、今の地上波や衛星放送の視聴環境は大抵「リビングに大きいテレビが一台あるだけ」という家庭が多く、逆にYoutubeNetflixの視聴環境は「家族がそれぞれスマホタブレットを持っている」という感じだと思います。なら、利便性をそのままに画質を上げるなら、地上波や衛星放送で受けたコンテンツをそれぞれのスマホタブレットで見れる環境づくりが必要だろう、という感じだと思います。

2つ目は、インターネットで受けたコンテンツを放送用の電波で受けたコンテンツにオーバーレイする話です。

用途はいろいろあるでしょうが、ありがちなユースケースだと例えばYoutubeのコメントや、Twitterの特定のハッシュタグのツイートを受けるようなイメージでしょうか。野球などスポーツ観戦で選手データなどの補助情報を出すとかですね。映像ほどのリアルタイム性が求められない補助的な情報を、インターネットで受けてオーバーレイして、かつユーザ側でも一定カスタマイズできる、とか出来れば色々活用できる気もします。この辺はまだまだどうなるかわからないところですが、実現すると面白そうですね。

わかりやすい懸念としては、ホームゲートウェイやそれなりのローカル通信環境が各ご家庭に必要です。ホームゲートウェイがどれくらいの価格になるかはわかりませんが、まぁ15,000円くらいは最低でもするでしょう。地デジチューナ付き無線ルータとかは既にあるので、それに近いようなコスト感になるはずです。複数の端末で同時に別チャンネルを視聴するなら複数のチューナが必要で、更にオーバーレイ機能もあるとなれば、もっと価格が高くなるでしょう。

あとは、自宅内のネットワークの要求が高くなることもデメリットで、一般の普及を考えると大きな壁になるでしょう。

ラインアレイスピーカーによる音場合成技術

www.nhk.or.jp

ラインアレイスピーカーを構成する多数のスピーカーから再生される音の強さやタイミングを個別に調整することで、音波の広がりをコントロールします。空間上に音の焦点(仮想音源)を作り出すことで、その位置で音が鳴っているかのように感じるため、まるでテレビ画面から音源が飛び出してくるかのような体験を味わうことができます。

現地で体感したところ、たしかにかなりリアルに仮想音源を作り出せていて、自分の周りを(仮想)音源がくるくる移動してるのはなかなか不思議な体験です。それも色んな所に置いたスピーカーで周りを取り囲まれてるのではなく、長い(?)スピーカーが前後に有るだけなので、これは実現すればなかなか便利そうだなと思いました。

ただまぁこれをテレビの前に置くとしたら、そもそもテレビは平面なので、音源だけやたら手前に出てくるのは違和感がありそうだなぁとは思いました。3Dテレビも(仮想的に)奥行きが存在するのは、スクリーンより奥側もしくはスクリーン付近に限るので、同じ問題があるような気がします。(よくある3Dのイメージみたいに自分のところまで迫ってくることはない)

まぁそれは今の9.1chスピーカーとかも同じような問題があります。実際、自分は映画館とかのサラウンドスピーカーは結構違和感を感じるタイプです。絶対そこからそんな音出てないだろ!とか思ってしまうので。なんだかんだ言って普及すれば慣れるのかもしれませんが、コンテンツ作る側も使いこなすのが難しい技術になりそうだなとは思います。

思ったよりも長くなったので、感想はこの辺りで終わります。公式サイトはしばらくあるみたいなので、ぜひ皆さんも覗いてみてください。